NPO法人国境なき奉仕団
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事業報告  2006 パキスタン地震現地調査報告書


日 時 2006年1月11日〜1月15日
場 所

パキスタン・イスラム共和国、イスラマバード(首都)、
ムザッファラバード(カシミール州都)
バラコット(北西辺境州、震源地付近)

参加者 中野秀一、山本慎吾、横川信之、田中孝和
(国境なき奉仕支援委員会)
作成者 田中孝和

【目 的】

昨年10月8日に発生したパキスタン地震に対して、NPO法人国境なき奉仕団がおこなう国際協力活動支援をおこなうにあたり、 被災地域の現状や復興状況、被災者の状態と生活環境、支援活動に関する安全性とその他の情報を得るため現地調査を遂行する。


                  【行 程】








【現地地図】





【現地状況】 

ムザッファラバード視察

カシミール州の州都で、イスラマバードから車で4時間強の北東に位置する。道中ところどころにテント村が点在し、主にムザッファラバード近郊の山岳地帯から非難してきた人たちが居住している。市街では倒壊した建物は約20%で、現在は瓦礫も取り除かれてはいるが、被災者で家をなくした方はテント生活がほとんどである。


街道沿いのテント村       物資は足りているが家の再建が・・・


半分倒壊したホテル、このまま再建中   ムザッファラマバード全景


ジャパン・プラットフォーム視察

NGO、経済界、政府が対等なパートナーシップの下、三者一体となり、それぞれの特性・資源を生かし協力・連携して、難民発生時・自然災害時の緊急援助をより効率的かつ迅速におこなうためのシステムが、国際人道支援機関「ジャパン・プラットフォーム」である。しかしながら組織化されてはいるが、被災者への「キャンプのルール」の徹底がなされておらず、いわゆる「被災者なき支援」と感じられてしまう状況が多々あった。

キャンプ入口           日本人医師


ムザッファラバード視察まとめ

□食料、テント、防寒具など足りている

□3月末でほとんどのテント村は閉鎖される

□人々の不安の多くは家の再建にある

□ジャパン・プラットフォームの支援は機能的ではあるが、被災者末端までの支援はできていない。3月以降自立支援に関しては未定。(緊急支援活動が主体とのこと)


 バラコット視察

バラコットは最も被害が大きい町のひとつで、建物の80%は倒壊した。現在も死者や負傷者の把握も明確ではなく、建物の下に残されている被災者も多い。

  壊滅的なバラコット市街       倒壊してそのままの小学校


  現地のジープとともに山岳地帯へ   標高2500mの集落


パキスタン陸軍が支援する集落物資は   耐震性を持たせたモデルハウス建設と

十分足りているとのこと         NGO派遣エンジニア談・・・??

村人は特に不安はないとのこと


 バラコット視察まとめ

□街道沿いの瓦礫は取り除かれていたが、その他はこれから

□山岳部へのジープ道(生活道)が未補修

□物資等は十分足りている

□家屋再生に政府より25000PRs(62500円)程度支給

□ここから奥地へ100km以上このような集落が点在
(ヘリでないといけないところもある)


 イスラマバードテント村視察

ここの生活に不自由はない       政府の一時金支給で、テント村にて

今後のことを考えると離れたくない   被災者自身が始めた駄菓子屋(大繁盛)

 イスラマバード市内には、カシミール州や北西辺境州などから多くの被災者が一次避難している。どこのキャンプも物資などはいきわたり、診療所や学校などの仮施設がある。衛生状態もよく、ほとんどのキャンプで食事は炊き出しとなっている。それゆえ居心地のよさに、地元に帰りたくないという被災者も多い。


日パ・ウエルフェアアソシエーション(NWA)テント村とこどもたち

今回現地コーディネートをお願いした、NWAが運営するテント村においては、入所時に契約書を交わす。他のキャンプとの大きな違いは、被災者がキャンプ内で何らかの役割を持ち、外部で仕事を見つけて自立に備えるという体制をとる。被災者の生き生きとした顔は、他のどのキャンプにもないものであった。


        仮設とは思えない立派なトイレ     自立支援に向けて
  
 しかも微生物分解式


イスラマバードテント村視察

□食料物資は十分足りている

□ずれも3月末でテント村閉鎖

□被災者はイスラマバードに残りたい意向多い

□震災孤児の支援が不明確

□NWAテント村では、自立支援も同時に進めている

□被災者一時金のほか自立支援に対して政府より175000PRs(約43750円)支給


総  括

□緊急支援の必要性は減少し、自立支援への移行段階にある

□ほとんどのテント村は3月末で閉鎖される

□NGOの自立支援に向けた取組みは少ない

□山岳部への支援は遅れる傾向で、都市部よりも生活・医療支援は長期化する模様

□イスラム教や地域の風習に考慮した支援をおこなう必要性がある(特に女性に関して)

□震災孤児への支援があまり見られない


パキスタン地震支援の方向性

たとえば・・・

□山岳集落の巡回医療支援

□震災孤児へ施設や就学、自立に対する支援

□震災未亡人の自立支援などが考えられる

今後・・・

 パキスタン地震支援に対して義援金募金活動も進めながら、現地NGOとも連携し、事業の方針と計画を立案する


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